ハニカム紙の伸長率が決まる仕組みと、比率を変える要因
ハニカム紙の伸長率を決めるスリットパターン、紙の伸び、ブレーキ、水分の影響。当社の1.6倍の意味と、お客様の比率の測り方を解説します。

平らなハニカム紙を1メートル、ディスペンサーに通すと、1メートルを超えるラップが出てきます。その超過分の割合が伸長率です。この業界でよく引用される数値の一つですが、最も理解されていない数値でもあります。
伸長率は、展開後の長さ ÷ 平らな状態の長さです。主に紙に入れられたスリットパターン、つまりスリットの長さ、スリット間に残る紙の量、列の間隔によって決まります。紙の伸びと剛性、ディスペンサーのブレーキ、梱包担当者の引き方、紙に含まれる水分も、わずかながら影響します。当社の切り込みでは伸長率は約1.6倍ですので、250 mの平らなロールから約400 mのラップができます。
伸長率が大きいほど、紙が良いとは限りません。
それは切り込みがどう働くかを示しているにすぎません。
そもそも紙が長くなるのはなぜですか?
切断用の刃型は紙を一枚も取り除きません。短いスリットの列を作るだけで、各列は前の列から半ステップずれています。引っ張ると、各スリットが隙間として開き、スリットの間に残る細い紙の帯が平らなシートから立ち上がります。
長くなる分は、その隙間が開くことで生まれます。開いたセルがシートの端を内側へ引き寄せるため、シートの幅は狭くなります。スリット入りの緩衝材に関する1997年の米国特許US5667871Aは、これを一行で説明しています。展開した材料は「長さが増し、幅が減る」うえに、緩衝に必要な厚みを得るとされています。
比率は何で決まりますか?
切り込みが範囲を決めます。
その他の要因は、その範囲の中で結果を動かすものです。
同じ1997年の特許は、スリット間に残る紙の量と列の間隔が、立ち上がる帯の角度と展開の度合いを決めると説明しています。帯は理想的には、シートに対して約45度から70度で立つとされています。スリットが長く、間の紙が少ないほど帯は大きく振れるため、紙はより大きく開けます。
| 変化する要因 | 比率への影響 | 管理する主体 |
|---|---|---|
| スリットの長さとスリット間の紙の量 | スリットが長く、残りが少ないほど伸びが大きくなる | 紙のメーカー(刃型による) |
| 列の間隔 | 各帯がどれだけ回転できるかが変わる | 紙のメーカー |
| 紙の伸び | 破れる前に伸びる紙は、さらに開くことができる | 製紙工場と、紙メーカーの銘柄選定 |
| 坪量と剛性 | 剛性の高い紙は、完全に開くのに強めの引き力が必要 | ご注文の銘柄 |
| ディスペンサーのブレーキ | 緩すぎるとセルが半開きに、きつすぎると破れる | お客様の梱包現場 |
| 引く速度と方法 | 引き方が不規則だと、セルが均等に開く前に破れる | お客様の梱包担当者 |
| 紙の水分 | 湿った紙は剛性を失い、早く破れる | 両端の保管状態 |
その後の米国特許US11401090B2(2022年8月公開)は、紙の側面からこの話を補足しています。一定の伸びを持たせたクラフト紙を使うことで、より低い引き力でセルが開くと説明しています。破断前にわずかに伸びる紙は、引き方のムラを吸収してくれます。
比率は大きいほど良いのですか?
それだけでは良いとは言えません。さらに開く切り込みは、平らな紙1メートルあたりのラップの長さを増やします。これは紙がただで増えるように聞こえ、売りやすい数字でもあります。
しかし紙そのものが大きくなったわけではありません。同じ重さの紙が、より長い距離に広がっただけです。そしてセルが完全に開いた後は、さらに引いても有用なラップは増えません。スリットの端に負荷がかかり、紙が破れます。1997年の特許も、展開中にスリットの端へ大きな負荷がかかることを指摘しています。
ですから、サプライヤーが大きな比率を示したら、2つの質問をしてください。展開後のラップの厚みはどのくらいか。そして幅はどれだけ狭くなるか。長くて薄く、幅の狭いラップは、短くても厚いものより製品を覆う面積が小さいことがあります。
私は、普通の梱包担当者が、普通のディスペンサーで得られる比率をお伝えしたいと考えています。
だからこそ、当社は「約1.6倍」とだけお伝えしています。
長さだけでは誤解を招く理由
紙は長さが増えると同時に幅が減ります。そのため、覆う面積は長さから想像されるほど増えません。
仮の数値で例を示します。紙が平らな長さの1.6倍に開き、展開後の幅が平らな幅の0.85倍だとします。覆う面積は1.6 × 0.85 = 1.36倍であり、1.6倍ではありません。
これは2つのロールを比べるときに重要です。長く開くが、より大きく狭くなる紙は、比率の低い紙と同じ面積を覆うことがあります。どちらかのロールが「より経済的」だと判断する前に、両方向を測定してください。
比率を正しく測る方法
ハニカム紙の消費量のガイドでは、在庫予測のために生産ラインで長さを測る方法を紹介しています。紙を比較するには、もう一歩踏み込んで、次の3つの数値を記録することをお勧めします。
- 平らな紙片を、正確に1 mの長さに印を付け、平らな状態の幅を測ります。
- いつも梱包担当者がやっているように、通常のブレーキ設定のディスペンサーで引き開きます。
- 手を離して1分待ちます。紙によってはわずかに戻るため、1997年の特許は、繊維の種類によって展開した紙が平らな状態へ戻ろうとする力が変わると指摘しています。
- 紙片の中央で、展開後の長さと幅を測ります。
- 展開した紙の上に定規を軽く当て、厚みを読み取ります。2層重ねでも同様に測ってください。
- 他の2名の梱包担当者でも繰り返し、平均を取ります。
次のように記録してください。長さの比率、幅の比率、面積の比率、1層の厚み。これで紙1種類につき4つの数値が得られます。
こうすれば、どのメーカーのロールであっても、2つのロールを公正に比べられます。
当社の比率と、その限界
当社の切り込みでは、平らな紙1メートルが約1.6メートルに開きます。ロールの長さはすべて平らな状態で表示しているため、当社の250 mのロールからは約400 mのラップができます。製品ページにも同じ数値を掲載しています。
この数値が何を意味しないかも正直にお伝えします。お客様のディスペンサーでの保証ではありません。ブレーキを強くしたり、梱包担当者が強く引いたりすれば少し増え、穏やかに引けば少し減ります。湿った紙はまた別の挙動を示します。これについては保管と湿度のガイドで説明しています。
スリットパターンそのものが緩衝性能にどう影響するかは、セルサイズとスリットパターンのガイドで、ここからさらに掘り下げています。
お問い合わせページからサンプルをご依頼のうえ、上記の6つの手順をお試しください。4つの数値をお送りいただければ幸いです。お客様の梱包担当者がどの程度の比率を得ているか、ぜひ知りたいと思っています。
購入者からのよくあるご質問
すでに持っているロールの伸長率を変えられますか?
変えられるとしてもわずかです。ブレーキや梱包担当者の引き方で変動するのは狭い範囲だけです。伸長率の幅は切り込みで決まっており、紙を破らずにブレーキの設定だけで1.6倍のものを2倍にすることはできません。
展開後の長さが、サプライヤーの数値より短いのはなぜですか?
多くの場合、サプライヤーがより強く引いた状態で測定したか、紙が緩む前に測定したためです。お客様のディスペンサーと梱包担当者の作業が、お客様の数値を決めます。カタログの数値ではなく、ご自身で測定して在庫計画を立ててください。
ロールの始めから終わりまで、比率は同じに保たれますか?
必ずしもそうではありません。スピンドルにブレーキがかかるディスペンサーでは、ロールが小さくなるほど必要な引き力が増すため、終わりに近い紙はさらに開いたり、破れたりすることがあります。ロールの終わり近くで1メートルを確認し、必要に応じてブレーキを調整してください。
白や色付きの紙は、茶色のクラフト紙と同じように伸びますか?
同じ坪量(GSM)でも原紙が異なるため、伸び方が違うことがあります。比率を基に在庫を計画する場合は、色ごとに個別に測定してください。